昨日感想をブログに書こうとしたら話が逸れに逸れて戻らなくなってしまいましたので、改めて。
この1冊を購入した理由は下記2点
・古代から近代までを通して1冊にまとめられている
・小説家が書いた読み物なので読みやすい
ここ数年、中高6年間で学んだ○○をおさらい、といったタイトルの本がたくさん発売されていますが、この1冊は日本国の歴史といった観点からざっと一通りのことが、わかりやすい平易な言葉で表現されています。多くは史実に則るべく、他国の文献なども複数参照しつつ、著者が個人の意見を述べるときは「私が敢えて簡潔に述べてみようと思う」「〜だと思っている。なぜなら〜」などと、ちゃんと、ここは私個人の意見ですよ、と明記されていて判別しやすいのが特徴的です。
マルチリンガル式日本史書の読み方
私が日本史書を読む理由、それは
2つあります。1つ目は
日本人として興味があるから。まぁこれは当然といえば当然ですね。2つ目は、
人に説明するため。
仕事や立場上、外国から
来日される方をアテンドすることもよくありますが、日本の観光地と言うとそのほとんどが
歴史的に意味のある場所です。そうすると
案内しながらザッと簡単に歴史をおさらいする必要があります。
東京都心エリアの場合は、そのほとんどが
江戸時代以降に造られたので、歴史も
1600年代以降だけサラっとおさらいしておけば大丈夫。ですが、京都や奈良となると、どこまで説明するのか、
歴史的背景も人物名もほとんど忘れちゃっています(笑)。
人に説明するための『日本国紀』要約 古代〜戦国時代編
そんな訳で
今週来日されるお客様アテンドのため、京都に行くこともあり、早速本書を読みながら
説明用に要約しました。まずは、
古代から戦国時代の終わりまでです。
日本は中国の歴史書に国家として初めて記述される一世紀からの独立国で、アジアではその後の植民地時代を通しても
独立性を保っていた数少ない国である。(実際には紀元前より国家はあったとされているが、
第三者による客観的な立場から書き残された史実がないため、史実上は一世紀からとする)。
元来日本では
新しいものを積極的に取り入れる傾向があり、600年頃から250年以上、
中国を通して諸外国の文化や芸術を積極的に取り入れていたが、九世紀(平安時代)は
独自文化が花ひらく。(遣唐使の廃止)
八世紀終盤から1868年まで京都に都が置かれ、
貴族による雅な文化が発展する一方で、十世紀に誕生した武家が大きな権力をもち、やがて実質統治を行うだけの政治力を持つようになったこともあり、
武家による文化も生まれる。また、日本の文化として忘れてはならないものに、五世紀頃に伝来したとされる
仏教文化がある。
貴族による
雅な文化の例は、友禅に代表される着物、和歌などがあり、
武家による文化には武道、茶道、禅などがある。
仏教文化としては、数ある寺院、仏像などが挙げられる。
十二世紀には初めて京都から離れた鎌倉で武家による幕府が設立。十三世紀初めに天皇側との戦争に勝利したことでその地位を盤石なものにする。十四世紀初めに鎌倉幕府が倒れ、天皇制が復活するも、わずか3年で室町幕府が設立、次第に幕府の力が弱まると戦国大名が台頭、弱肉強食の
戦国時代へと突入する。
1573年〜1603年にかけ、3名のその時代を代表する戦国大名によって数十に分断していた国をまとめ、一つの国となる。この際、新たに幕府を江戸に移したことで、この後
約300年間続いた平和の時代を江戸時代と呼ぶ。
日本の独立性について
前述の通り、日本は
アジアの中でも独立を保ち続けた数少ない国です。古くは大国の中国に対しても属国となることはありませんでした。日本の独立性が最も危なかったのは、十三世紀に当時の中国で政権を握っていた
フビライ・ハーン(チンギス・ハーンの孫)が2度に渡り、4万人、15万人の軍勢を送った時です。対する日本は3分の1くらいの軍勢しかいませんでしたが、2ヶ月善戦した上に台風で中国側に大きなダメージがあり、将軍らは10万人の兵士を置き去りにして撤退したと言われています。
日本はこの
歴史的な戦で防衛に成功したものの、国内的にも大きなダメージを負ったことが原因で、当時の幕府は衰退、十四世紀には治安が悪くなり
戦国の世に突入するきっかけにもなりました。
日本人の宗教観について
古来日本では「生物・無生物に限らず万物に霊魂が宿る」という
アニミズムの思想を持っていたが、時代が進み稲作が始まると、稲の収穫が天候に左右されることから
「自然界のすべてに神が宿る」という
日本独特の信仰へと発展。その信仰を
神道と呼ぶ。神道は他の宗教が持つ教義や経典がなく、開祖や教祖もおらず、社殿のようなものもなかった。
仏教は六世紀半ばに受け入れられることが決まり、日本で広がることとなった。
時代が進み、
十二世紀頃(鎌倉時代)には従来の
民衆の救済は僧侶が行うという考え方から「南無阿弥陀仏」と唱えると
それぞれが救済されるという宗派が広がった。また、
座禅など厳しい修行を積むことで、自らを救済する禅は特に武士の間で広がったが、これらは
日本において発展した仏教の一例である。
ここまでで全505ページある本書の162ページまで、まだ3割くらいです。続きは次回に。