8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

好きな人にあげたい詩集『いきていてこそ』

お世話になっている方から送られてきた本、届いてすぐ読んだ詩にジーン

どうしてひらがなで綴られているのか、どうして明るいのに切ないのか、どうしてこんなに優しいのか、どうして、どうしてと思いながらも、ついつい読み進めてしまいました。ほっこりする一編もあれば、じんわりとした余韻が残る一編もある。

この詩集には大好きな人に聞いてもらいたい”ことば”がたくさん詰まっています。

本書の中から、いきなり読んで泣いちゃった一編をご紹介いたします。

いっしょにきて  

しんぱいなとき
いっしょにきて

こまったとき
いっしょにきて

いつもいっしょにいてくれたら
しんぱいしなくていいのに

どこでも こんなんはおとずれて
そのとき ひとりではしんぱいで

だから
いっしょにきて

著者の堀江菜穂子さんも、お母さんから詩を読み聞かせてもらうことで、独特の詩のセンスを磨かれたのでしょうか。小説や小難しい本とは違ってシンプルで短いのに、強い想いを感じます。

物書きとしてデビューして1年余り。言葉を仕事にし、いくつかの言語を話す私にとって日本語は特別な存在です。耳に優しいのは「大和言葉」だと、近頃では大陸由来でない”ことば”を意識して使っているのですが、書き言葉は漢字が中心。スッキリまとまって見えるし、短い言葉で多くのことが伝えられるから。

この詩集を読んで、ひらがなをないがしろにしていたのではないかと反省しました。ひらがなだけでも多くのことを伝えられる。そんな新しい発見もいただきました。

行間が多い詩集だからこそ読み方は人それぞれ、生き方もそれぞれだから、と著者の方に教えていただいた気がします。

いただいた本は私用に、好きな人にも1冊買って送ろうっと。