8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

特別授業:高校生と将来について語り合ってみた

私たちが若い頃(笑)から「最近の若い人は、、、」という大人の方はいました。その方に聞いてもやはり「自分の若い頃は目上の人に”最近の若いヤツは。。。”と言われたよ」とおっしゃっていました。英語では一世代を10~15年というように、世代が変わると考え方や大切にするもの、時には文化さえも変わってきます。今の大学生は、生まれた時からインターネットが世の中に存在していた世代ですので、紙が大好きな私たち世代とはやはり価値観が違うのでしょう。しかし人間の本質は変わらないと私は思います。

以前からマルチリンガルクラブの講座には、時々大学生も参加してくれて、その時その時に新しい発見や気づきをくれました。ここ数週間は大学で講演や研修をさせていただいたり、知人の塾で高校生と話す機会が増えました。確かに、彼らの多くは生まれた時からインターネットがすでにあった世代で、新人類です。ものごとの考え方も違うし、若さゆえの不安定さも目につくかもしれませんが、彼らの中にはとてもしっかりしている子もいるのです。

大人より礼儀正しい大学生たち

例えば、近の若者は行動力がないというけれど「講演中に聞けなかった質問は講演後にも伺いますし、メールをいただいたらお答えします」と伝えたら、数名が講演後に質問に来てくれましたし、後日メールも数名の学生からいただきました。大人向けのセミナーでこれほど質問を受けることは稀ですし、ましてや連絡先をネットで検索してメールを送ってくれる人も多くないので、若い人たちが大人より行動力がないとは言えません。また、いずれのメールも学習についてのアドバイスが欲しいと言った内容でしたので、私なりのコメントを返信したところ、ちゃんとお礼のメールもいただきました。マルチリンガルメソッド本出版後、本を購入しましたという方から多くのメールをいただきますが、丁寧に返信をしてもお礼が返ってくるのは意外と稀なんです。若い人から嬉しいメッセージをいただけて、なんだか爽やかな気分になりました。

高校生もいろいろ考えている

しっかりしたといえば、しっかりした考えを持つ高校生たちにも出会いました。知人の塾にお呼ばれして「特別講座」としてお話をさせていただきました。英語のことや、オリンピックのこと、いろいろ聞きたいとのことでしたが、結果的に話題は”進路指導”へ。現役高校生といえば、大学受験前の大切な時期ですが将来どんなことがしたいというのはまだ決まっていないという学生が多いようでした。受験に向けて準備をしながら、同時に進む大学を決めかねているとのことでしたので「好きなことの見つけ方」「行きたい大学の決め方」について特別授業。

お金と時間がありあまっている時にやりたいことは?

「もし宝くじ3億円がいきなり当たって、明日から何をしてもいいよと言われたら何がしたい?」

一人の学生は、買い物をいっぱいしたいと答え、その後はイギリスに住みたい、と話しました。なぜイギリスかというと、なんとなく古い歴史的建造物が好きだから。ここからは連想ゲームで、イギリスの歴史的建造物に関連する言葉をどんどん書き出します。「建築」「インテリア・家具」「建物のデザイン」「美術・芸術品」「自然」など。これらの中から最も興味をそそられるものが「インテリア・家具」だった場合、インテリアメーカーのショールームに行ってみるのもいいでしょう。この学生は「買い物が好き」と話していたので、バイヤーになるのもいいかもしれません。インテリアのバイヤーになるには、語学が必要ですから外国語学部のある大学を志望するのもいいかもしれません。あるいは貿易ビジネスを学べるような大学、もう少し芸術よりの方向に興味があるようなら、アートヒストリーやインテリアデザインを専攻できる学校に行くのもいいかもしれません。大切なのは自分の興味のある分野にどんな仕事があるのかということを調べるということ、そして可能な限りその現場に行ってみるということです。

中学生を対象に同じ質問をした際、出てきたのは「宇宙飛行士になる」「東大医学部を首席で卒業して、アメリカの大学で研究を続け、世界一のドクターになる」「日本のマザーテレサになる」といった回答でした。大人向けのレッスンで同じ質問をしたら、ほとんどの方が「海外旅行に行きたい」「定年後に海外移住したい」と答えます。大人になるということは良い意味でも悪い意味でも”限界を知る”ということ。でも人の可能性は無限大だと私は信じているし、まだ恐れを知らない若いうちに夢に向かって進み始めて欲しいなと感じました。彼らの将来がとても楽しみです。