8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

2019年は棚ぼた出版から



マルチリンガルメソッド4作目の企画はなかなか進んでおりませんが、この2年は自分の書籍ではなく、他の書籍に登場するという、いわゆる棚ぼた出版が続きました。

2019年はこちらの1冊から。



『会社に頼れない時代の「資格」の教科書』(PHPビジネス新書)

こちらはPHP研究所から発行されている雑誌「THE21」2018年7月号の「まだ間に合う!40代からの資格&勉強法」が書籍化されたものですが、雑誌発行の際にも含まれていた英語以外の語学系資格に関する部分を書籍化にあたってボリュームアップしたいから、とお声がけいただきました。思い出していただけて大変嬉しく思います、ありがたや。



さて、気になる内容ですが、4章立てで章ごとに異なるテーマが取り上げられています。


第一章 「資格」を活用して、自分のキャリアを切り拓こう!

第二章 注目の資格は取れ?【ジャンル別】資格ガイド
第三章 誰もが気になる「語学」の資格
第四章 最短で「合格」を勝ち取る勉強法


第一章の冒頭は、資格の達人で資格コンサルタント鈴木秀明氏が今、旬の資格について解説。資格の達人ってどういう人って思いませんか?この方なんと、600以上の資格を取得されている、いわゆる資格オタクなんですよ。テストとか試験とかがニガテすぎる私からすると「大尊敬」という言葉しか出てきませんが、しかし600以上って一年にいくつぐらい資格勉強されるんでしょうか・・・私の個人的な興味はさておき、鈴木氏オススメの資格は、副業で食べるための3つの資格から始まり、儲かる資格、最先端の資格など、プロならではの内容。テストが苦手な私もつい、取得目指しちゃおうかな、と思ってしまうほどわかりやすく説得力のある解説です。資格はいろいろあれど、やっぱり最後は「興味のあること+資格」というまとめもいいです。マルチリンガルメソッドでも語学を習得するには「興味のあること+語学」と常々お話ししているので、やっぱり勉強って好きなことじゃないと続けられないし、モチベーションが湧かないんだろうなと思います。続くキャリアデベロップメント・アドバイザーのいぬかいはづき氏は、人生100年時代の資格の活かし方というテーマでシニアであることが生かせる資格などをご紹介されています。印象的だったのは「60代からでも英語」というくだりです。私も同感。同時通訳機やアプリなど、IT技術の発達に伴って便利なツールも増えていますが、やっぱり自分の言葉で伝えることってとても大事。英語ができるとボランティアもできるし、世界が広がります。

第二章は、もともとのテーマが「40代からの〜」とあって、転職や副業に役立つ資格やシニア世代にオススメ資格が多め。金融系、IT系資格が多いのはやっぱりお金とテクノロジーは何をするにも必要だからでしょうか。私の知人でこれから副業を始めたいという人も、まずは簿記から、と先日話されていました。簿記の資格で独立するわけではないけれど、お金の流れについて知っておくことは自分でビジネスを始めるには必要。第二章の最後はユニーク編としてご当地検定なんかもあるのは、資格の教科書ならでは。妖怪検定や忍者検定もあるそうですよ!ご当地検定おもしろすぎです。

第三章は英語学習法と、その他の言語系資格について。第二章までは数ある検定の中からオススメの検定を紹介するという内容だったのが、第三章から学習法にシフト。ここでは効率的な語学学習法として、関正生氏の学習法が紹介されています。大人は自分にとって必要な内容に絞って習得、4技能すべてではなくここでも1つか2つに絞る、などいちいち納得。リスニングができない最大の理由は「聞こえない」ではなく「発音の仕方を知らない」など、マルチリンガルメソッドでも常にお伝えしていることですし、ライティング・スピーキングは子供に説明するように、というのも。難しいことを難しく伝えるのではなく、シンプルに伝えるようにすると、どんどんアウトプットが捗ります。

第四章では最短で合格するための、試験勉強計画の立て方、集中のスイッチ、記憶法について解説。鬼頭政人氏による学習計画の立て方やテキストの選び方はこれまた常日頃、私がレッスンでお伝えしていることと同じで、とても共感。本書では学習計画の立て方に限定されていますが、この鬼頭氏の4ステップはキャリア設計の仕方にも十分転用できる内容で、すごくお得感がある。

ざっと読みましたが、タイトルにもあるとおり前半は「資格の教科書」といった要素が強いですが、後半は学習法に大部分が割かれておりとてもお得感のある1冊となっています。資格でなくても語学やキャリアのための学習をしたいと考えている人にはピッタリ。新書で持ち運びしやすいので2019年、年始の1冊にいかがでしょうか。第三章では私もちらりと登場します。