ビジネスマンのための英語伝道師、新条正恵です(笑)。「英語が話せない」と悩んでいる方のほとんどが「頭の中にあることが英語化できない」のが最大の悩みでストレス。
『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』や『2時間で目覚める英語』では、どうすれば短期間で頭の中を英語化するかについてお伝えしていますが、もっと短時間で、もっとラクに話せるようにならないかなと今でも日々研究をしています。そんな中、書店で見かけたのが本書『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』(ワニブックス、山口謠司著)。今日はこの本を読んで学んだことと、脳内の英語化について気づいたことをご紹介します。
目次
山口氏は『語彙力がないまま大人になってしまった人へ』の著書、つまり言語のプロです。山口氏はある時知人から「気づくと『ヤバイ』という言葉を多用してコミュニケーションをしてしまっている」と相談を受けたそうです。周りの人にも聞いてみると次のことがわかったというのです。「私たちの多くは、普段から3パターンくらいの表現しか使っていない」ただし、その多くが「本当に伝えたいことが、伝えられていない」と悩まれていたのも事実。
そんな日本におけるコミュニケーションに悩む老若男女のために書かれた本書で紹介された、うまく伝えるシンプルな技は次の5つ。
・思考を整理して、明確にする
・思考を言語化する
・表現の幅を広げるための語彙力をつける
・会話や文章をうまく伝える
・ひとつ上の説明の技術
本書ではタイトルの通り、頭の中を「言葉」にしてうまく伝えるためのコツやヒントがいくつか紹介されていますが、ザックリまとめると次の4点。
1. 2軸で考える
2. 情報収集する
3. 他者の意見を集める
4. 100%伝えようとしない、5~7割を目指す
中でも4点目の「100%伝えようとしない」というのは納得。人前で話すことになって緊張していたり、自信がなかったりするとついついペラペラと余計なことまで話してしまい、結局分かってもらえなかった、という経験をしたことはないでしょうか?情報は多ければ多いほど良いと思いがちですが、多すぎるのもかえって相手を戸惑わせたり混乱させてしまうことがあります。
例えば冷蔵庫。新しいものを買いに行ったら、まずメーカーの多さに驚くと思います。「○○機能がないと絶対ダメ」と決めている方なら別ですが、大きさや色、3ドアか4ドアか、冷凍庫は一番下か上か、くらいまではイメージがあると思いますが、スマート家電化した冷蔵庫の「野菜やお肉の鮮度が落ちませんよ」とか「冷凍方法が画期的」とか「冷蔵庫内にある食品の鮮度を教えてくれます」と説明されると結局その日には選べなくて、出直したということはありませんか?
重要なポイントの伝え忘れはいけませんが、それ以外の情報ははじめから全部伝えようとしないこと、心構えとしてとても大切だしわかりやすいアドバイスだなと思います。
本書で紹介されていたたくさんの「伝える」を鍛えるための練習方法の中から「英語で言語化する」ことにも通じると思ったものを、3つだけ、ご紹介します。
1. 手書きの手紙を書く
2. 類語を調べてみる
3. 文庫本をお風呂で1分間音読する
なぜこれらが良いなと思ったかというと、それは私がいつもお伝えしていることで『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』でもご紹介しているからです(笑)。
一つ目の「手書きの手紙を書く」のはこのままオススメしている訳ではありませんが、マルチリンガルメソッドでは手書きでワークをするのが原則です。理由はいくつかありますが、自分が伝えたいことを聞いてもらうために相手からもらえる時間が1分未満だから、です(会話の場合)。自己紹介、営業、会議などの場面で話す際、はじめからダラダラと話していると途中で話を遮られたり、質問をされたり、聞くフリはするけど実際は誰も話を聞いてくれていなかったということはよくあります。
話したら1分の内容って文章にすると何行くらいだと思われますか?
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5〜6行くらいです。このくらいの量なら移動中や待ち合わせなどのスキマ時間にもサッと書けちゃうボリューム。英語を話せるようになる、英語力をキープする、英語を忘れないためには毎日15分〜30分は英語に触れ、アウトプットすることをオススメしていますが、毎日誰かにお手紙を書くというのも良いですね。お世話になった方への感謝の気持ちや、部下や後輩への励ましメールの下書きなどは、ぜひスキマ時間を見つけてノートに書いてみてください。
二つ目の「類語を使って調べる」は表現力を広げたいという方にオススメしています。語彙力を増やすには類語を覚えるのが一番。英語だと、辞書で調べた普段使ったことのない単語の発音がわからなかったり覚えられなかったりした時に役立ちます。
三つ目の「文庫本をお風呂で1分間音読する」はその理由も場所も同じで驚いちゃいました。「半身浴は身体にいいですよ」というコメントまで(笑)。「英語で書く」ことには「話す」ほど抵抗がなかったり、メール等のやり取りで慣れているという方は、文庫本でなくともご自分が書かれた文章やメールを声に出して読むのもオススメです。
3つの練習法はすでにやってます、という方には次の2つも参考にしてみてください。
4. 5W1Hを使って要約するクセをつける
5. 自分の母に説明する気持ちで伝える
四つ目も講座等では伝えていますが、本を読んだり、人の話を聞いたり、情報をインプットした際は簡単でいいので5W1Hを使って要約するクセをつけます。そうすると会話の際、すぐに相手にフィードバックをできるようになったり、言いたいことがすぐにロジカルに伝えられるようになります。これだと1文で良いので、サラサラとメモする程度、時間もそれほどかかりませんね。
五つ目は昔、コールセンター長だった同僚に教えていただいたことです。「電話でお客様に何かを伝える場合は特に、相手の表情が見えませんからコミュニケーションが難しい。だから相手の方をいつも自分の母だと思って、丁寧に伝えるようにと指導しています」。これは英語を話す時もそうで、難しいことを難しくより、よりシンプルにわかりやすく伝えた方が「うまく伝わる」ことが多いです。
全部で5つご紹介しました、頭の中を英語化するコツ。独学でも十分話せるレベルまで練習できるので、まずはひとつからやってみてください。独り言は十分、という方はマルチリンガルメソッドの講座にご参加いただけくと、2時間以内で英語が口からスラスラ出てくるのを体験していただけますよ。