


お金と収入と目標の話

若い人から学べることはツールだけでなく仕事の進め方

「人生にムダなことなんて一ミリもない」
この話も、飲んでる時によくする話なのですが、割と人気なので備忘録的にブログに残しておきます。
毎年、大学生向けに講演をさせていただく際も、チャンスがあればこの話をするのですが、今日はあえて人生を少し悲観している(?)40代以上の方に読んでいただきたい。
目次
んーいつくらいに聞いたのかは忘れてしまったのですが、人生に無駄なことなんてない、とはよく聞く話です。
そうは言っても、仕事がうまくいかなくて膨大なエネルギーと時間を無駄にしちゃったと感じる時、離婚や破産などプライベートで失敗しちゃった時、最近なんとなくうまくいかないなーという時に、ふと「こんなことしてなんの意味があるんだろう」って思えることがあると思います。
特に20代の頃には「早く何かを成し遂げたい」と気が急って、どう考えても効率の悪いことや意味がなさそうなことをしなければならないと感じた時「こんなハズじゃなかった」とか「こんなことしてる場合じゃないのに」と思う。
私もずっとそう思っていました、笑。
それでも、私の場合は割とやってきたことが次のステップになっていることが多く、そこまで悲観的に考えたことはありませんでした。
自分の人生で一番最初に「失敗したな」と思ったのは、高校受験を失敗した時。志望校に入れないどころか、10ランク以上も下の高校に入ることになって、クサクサしてました。
でも行きたくない高校に行ったおかげで、高校留学しようと思い立ち、両親や姉の協力もあって留学することができました。
ずっと学年トップの成績をキープできたおかげで、指定校推薦で関西外大に入学できました。中学の時から「外大の短大に行く」って決めていたので、高校では回り道をしたけれど、結局行きたい学校に行けたんです。
いや、志望校に合格していたら、たぶん留学しなかったから「高校受験に失敗して良かった」と思います。
外大に行けたから、今でも定期的に会う一生涯の友人にも出会えたし、アメリカの大学でITを専攻するきっかけもできた。
2000年に就職活動をしていたから、アメリカより少し遅れて日本にやってきたITバブルの波にうまく乗れて、うっかり外資系銀行にも就職できた。。。
リーマンショックで無職になっても割とすぐに仕事が見つかったし、ボロボロになった銀行業界で当時一緒に職を失った友人の多くが、3年後ようやく「元(の給料やポジション)に戻った」中、キャリアアップ転職もできた。
今の仕事をする前に会社員をやってたというと必ず聞かれるのが「独立した理由」。
私の場合、独立する理由なんてなくて、ただ「ちょっと外の世界をのぞいてみたい」という好奇心からだった、笑。
それまで外資系銀行で、そこそこいいキャリアを築いていて、20代後半からお給料も目標の一千万円を超えて、希望通りのチームでやりたい仕事をやってて、正直不満なんてほとんどなかった。
https://masae3.com/archives/1565
でも、会社を辞める1年前に参加したプロジェクトで、それまで自分が住んでいた世界がいかに狭かったか気づき、そんな小さい世界の中でハシゴを登り降りして一喜一憂してるなんてもったいない!
そう思って「三年間だけ好きなことをやってみよう」と会社を辞めてみた。
35歳の時に、12年近く働いた金融業界を離れて、講演・セミナー・執筆・イベント企画・ビジネスコンサルティングを主とした仕事をするようになったのは、成り行き。笑。
会社辞める前になんの準備もしてなかったし、プロジェクトマネジメントで独立という選択肢は自分にとっては想像できなかった。
新しくやりたいことを見つけるまで、とりあえず楽しいし、と始めた英語読書会が人気になって、海外出張前に個人レッスンを受けてくれたお客様が3週間で英語が話せるようになったから。
セミナー業をするつもりなんてなかったから資格もなかったし、研修も受けたことなかったけど、人前で話すことに全く抵抗はなかった。
英語は18歳から20年近くほぼ毎日ずっと使ってたし、人前でプレゼンしたり、ユーザーや海外スタッフを育成する社内研修を散々やってきたのが、ひとつ一つスキルや経験として身についてて、講演やセミナーがスラスラっとできた。
人生にムダなことなんて、ほんとにないんだなぁ
そうボンヤリ思っていたのだけれど、ひとつだけ、活かされない経歴があった。
NHKの番組に30分ほど出演させていただくことになり、代々木のスタジオで収録をしていた時のこと。
どんな話をするかは事前の打ち合わせを元に台本が作成され、当日のサプライズもなく(当然アドリブも期待されず、笑)リハーサルをしていたとき。
アナウンサーの方がふと一言「やっぱり人前で話されるお仕事をされてるから、あまり緊張されないんですね」
言われて初めて「あ、私、緊張してないんだ」と気づいた。
改めて考えてみると、そういえば今までセミナーや講演、雑誌、テレビ、ラジオに出演してきて緊張したことが一度もなかった、笑。
それを「会社員時代、人前でよく話してたからだろうなぁ」くらいに思っていたけれど、そういえば、ひとつだけ、辻褄が合わない経験があった。
劇団で子役として活動していた経験。
10歳の時に、芝居が好き!と気づいてから18歳で引退するまで八年間続けた演劇、テレビ、そして数々のオーディション。
当時子供だった私にとっては全力で打ち込み、友達と遊ぶ時間を削り、部活をクビになって、お年玉貯金すべてを注ぎ込んで活動していた八年間。
とても大切でとても貴重な経験だったけど、18歳のとき女優になる夢を諦めた瞬間から、その間に学んだことだけはムダだったかもと思っていたのが、ここでピンときた。
「そうか!1000人の満場ホールで主役を張ったり、脇役で映画に出たりテレビに出てたから緊張しないのか!?」
下積みが長かったといえば、そうかもしれない。
10歳から18歳まで学んだことが、35歳過ぎてから活きてくるのだから。例えば人前で話す、といったスキルは、会社員時代にも活かされていたかもしれない。
18歳で夢をあきらめた時、まさか女優になる以外の方法でテレビに出る日が来るとは思ってもみなかった。
ま、友人からすると「マサエはいつでも女優」(マサエという役を演じていて本心を出さないという意味)らしいが、笑。
何が言いたいかというと、人生でムダなことなんて一ミリもないのだ。
一所懸命、打ち込めば打ち込むほど、そのスキルは身につくし、経験として蓄積される。
だから、結果を急ぐ必要なんてないんじゃないかな。好きなことを好きなだけ、やればいい。ただし、全力で。