8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

短時間で「伝わる英語」を習得すると、どうなるか?

『仕事の英語』シリーズ第1弾、英語スピーチ講座は英語で行うプレゼンテーションだけでなく、英語で会話することすべてを”スピーチ”と考え、グッと伝わりやすい「英語の話し方」を習得する講座です。講座の内容は参加される方のレベル、そして英語を使って将来どういったことをやりたいのかよって多少変わります。

本日の講座に参加されたのはいずれも、今は英語使ってないけれども将来的には仕事でバリバリ使いたい、と言う考えをお持ちの方が多め。それぞれ英語で簡単な自己紹介をしていただいたら、冒頭では英語プレゼンで使われるテクニックを紹介。その後ネイティブスピーカーのプレゼンを聴き、どのようなテクニックが使われているか分析、更に自分でも使えるように練習をしました。

目次

プレゼンテクニックって?

繰り返し、間、強弱、ジョークを入れる、リサーチや引用を使う、など一般的に知られているテクニックは多くあります。知ってるけどあまり使っていないのはもったいない!だからあえて初めは参加者全員で聞いたことあるプレゼンテクニックの復習をします。その他、なぜスピーチは最大18分なのかと言った構成の話や、ストーリーなどを使うことによってオーディエンスがスピーカーに対して共感を持つような話し方をするメリットを説明。さらにはボディーランゲージに代表されるような”非言語コミニケーション”として欧米で多く使われる動作とその意味をご紹介します。

Input -> Analyze -> Output

プレゼンテクニックについていくつかお話した後は、実際にグレートスピーカーと呼ばれる人たちのプレゼンを一緒に観て学べる事はないか、真似したいテクニックを一緒に分析していきます。女性の参加者が多かったこともあり、今日もFacebookのCOOでありベストセラーになった『リーン・イン』の著者、シェリル・サンドバーグのスピーチを見ました。シェリルのスピーチは何度聞いても学びが多く、新しい発見があります。講座中は同じスピーチを2回観ます。日本語訳はおろか、英語テキストも読まず「英語で観て、英語で考え、英語で話す」トレーニングをするので、1回ではスピーチ内容の詳細まで理解することが難しいという人もいるため。

1回目はスピーカーが使った、プレゼンテクニックを観察。話の内容が100%理解できなくても「あっ、今、同じことを繰り返したな」「○○%の〜って言ったな」というのは理解できます。約8分間プレゼンを見たら、次の5分程度で発表のための短いスピーチ文を英語で作成、そして一人1〜3分程度で発表をしていきます。ジョークで始める、手の動きで感情を表現する、アイコンタクトをする、繰り返しを有効的に使う、何%の人が〇〇といったような数字を使いロジカルに話すなど、それぞれ発見したことをシェアしました。

休憩をはさんだ後、今度はもう少しスピーチの内容を理解しする目的でもう一度スピーチを観ます。自分なりに内容を理解し、それを簡潔にまとめ、さらに英語スピーチの型を使って簡潔に話すのはとても緊張します。しかし2回目ともなると少し緊張が薄れてくることもあり、1回目よりはよりスムーズに、よりわかりやすく、さらに学んだテクニックを真似しながら発表します。例えば英語でスピーチを行う際は、壇上に上がる前にスピーカーのことを紹介してくれた人やオーディエンスに対して感謝の言葉を述べます。日本語だと「ただいまご紹介にあずかりました…」と始めるルールがありますね。これらの学んだことを”すぐ実践でき”、それに対する”フィードバックがもらえる”のが講座に参加する最大のメリット。今回の参加者の方も新たな学びをすぐに活用しながら、すらすらと冒頭から感謝の言葉を述べお話されていました。

伝わる英語スピーチの型


拙著の『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』でもご紹介しましたが、日本語で話す時の型が”起承転結”型と言われるのに対して、英語では”序論結”型と言われます。公の場で行う英語スピーチだけでなく、普段から英語を使って話している際はこの型が一般的に使われます。よく関西の人は「オチをつけたがる」と言われます。普段からユーモアたっぷりの話が多い関西人の中に「オチがない話は気持ち悪い」と感じる人がいるように、英語ネイティブの人にとってみると序論結型から外れた会話は物足りなかったり伝わりにくかったりします。英語スピーチ講座では、この序論結型を使ってシェアをします。頭ではわかっているのに、実際英語を話してみると単語を思い出すことや文法と語順などに気を取られ、文章の構成まで気が回らなくなってしまう。だから無意識で型を使えるようになるまで、しっかりと練習をしながら自分の中に型を落とし込まなければなりません。その作業を講座中から少しずつ積み重ねていきます。


1回でも効果あり、3回参加すると・・・

マルチリンガルクラブの講座は1回参加するだけでもきちんと結果が出ます英語が苦手、英語で人と話すのが緊張する、言いたいことがすぐ出てこない、適切な単語が出てこない、あいづちなどレスポンスがうまくできない、などいろいろな課題を持った方が講座には来られます。少人数の講座だからこそできるのは、一人一人の参加者のお悩みをお聞きし、すぐに課題解決のためのワークを実践できること。

しかしコツコツと参加回数を増やしていくからこそ、できるようになることもあります。今回参加された方のお一人は「仕事の英語」シリーズ講座3回目の参加でした。英語はもう何年も独学で続けていることもあり、参加当初から発音などにも問題はありませんでしたが、どうしても語順で動詞が最後になってしまうなど「日本語で考え、頭の中で英語に訳してから話す」クセが抜けないようでした。でも今回の講座では話せば5分にもなるような英語スピーチを、わずか8分程の時間で準備し、語順や言い回しも「英語らしく」さらには、よどみなくスラスラとお話される様子がとても印象的でした。このように続けて参加しながら、ちゃんと結果を出してくださる参加者と共に学ばせていただくことに、これ以上ない喜びを感じます。

今日の差し入れはケーキとオーガニックティー。マルチリンガルクラブの講座にご参加されるみなさんは、お金を払って来て下さるのにも関わらず「このケーキ食べてみたかったから」「この紅茶おいしかったから」と、また差し入れを持ってきてくださいました。おかげさまで今日の休憩時間中はおいしいケーキと紅茶で女子会トークに盛り上がりました!ご参加いただいたみなさま、差し入れいただいたみなさま、ありがとうございました。