8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

イギリスは郊外が魅力的 〜ヨーク編〜

イギリスには約1年住んだことがあり、これまでにロンドンへも何度か行っている私。伝統あるイギリスの楽しみ方はたくさんありますが、ロンドンの古い町並みを探索するのも1つの楽しみ方。日程に余裕があってちょっといつもとは違う楽しみ方を見つけたいと言う方は、ぜひデイトリップで北の重要都市、ヨークへ行ってみてください。

目次

ヨークに住む”あの人”に会いに行く

今回のイギリス旅行の目的は2つありました。一つはアデルのコンサート

そして2つ目がヨーク滞在。2年前「日本財団から給付される奨学金を受けて留学したい」とレッスンを受けてくれたクライアントでもあり、友人でもある方に会うため。

彼女がレッスンをスタートしてから3週間後に受けたIELTSでは、初めてながらも平均6.5以上を取得。それだけでなく作成した英文プロフィール、志望動機は全部で10ページ以上どの大学院に留学したいかを決めるため、世界中のあらゆる第一人者を探し、リサーチするのも全て英語。英作文は私もレビューや構成をお手伝いさせていただき、英語での面接練習もガッツリとサポートさせていただきましたが、彼女が無事奨学生となった時は一緒に涙しました。マルチリンガルメソッドは英語テストでの効果をはっきりとは明言していませんが、もともと私自身が学生時代に実践していたワークがベースになっているので、IELTS高得点取得にもある程度の効果があることがわかり貴重な経験もさせていただきました。

イングランド北部の重要な街、ヨーク

さて、というわけで訪れたヨーク。イギリスに11ヶ月滞在していた私もヨークは初めてです。

ヨークはどんな街かというと、イギリスの首都ロンドンから300kmと少し北上した、ちょうどブリテン島の中ほどにあるこの街は、昔から北イギリス統治における重要都市と考えられていたそうです。イギリスの正式名称はUnited Kindom of Great Britain and Nothern Islandsですが、現在の国家になるまでローマ帝国(イタリア)、アングロ・サクソン人(ドイツ)、ノルマン人(フランス)など、海の向こうから来た民族に度々侵略されています。前々から「アメリカの商業都市、ニューヨークはなぜNew(新しい)Yorkなんだろう、ヨークという街はそれほど重要な街だったのかしら?」と思っていたのですが、今回訪れてみて実感。やはりNew YorkのYorkはこのイギリスの街から来ていると考えていいと思います。(アメリカ東海岸部の地名はイギリスの街にちなんだ名前が多くあります)

また、歴史が得意な人なら薔薇戦争の舞台となった地名としても有名なのがヨーク。薔薇戦争とは15世紀に王位取得権を巡り起きた権力争いで、当時の権力者だったランカスター家とヨーク家を巡り30年も続きました。ランカスター家の紀章(家紋のようなもの)が赤バラ、ヨーク家の紀章が白バラだったことから、後に薔薇戦争と名付けられました。今でも王家の紋章には赤白両方のバラがあしらわれているほど、イギリス国家・王家にとって重要な出来事だったと言われています。

 

かつては世界一大きいと言われた、ヨーク駅がお出迎え

難しい話はこのくらいにして、ヨークの魅力です。ロンドンのキングスクロス駅から約300km、電車で約2時間のヨークに着くと、まず見て欲しいのが駅舎1841年に完成したこの駅は、エジンバラとロンドンの間に位置するターミナル駅で、1877年には13プラットフォームを抱え、当時は世界一大きな駅としてその名声を誇っていました。第二次世界大戦中に爆撃を受けて一部損傷しましたが、1947年には復旧しています。ロンドンのキングスクロス駅なども古いのですが、一部近代化され改修されている反面、このヨーク駅はイギリスの産業革命の面影を強く残した駅と言えるでしょう。

イギリス国教会最大の大聖堂、ヨーク寺院

ヨークを代表する建物といえば、ヨーク寺院(York Minster)。イギリスはカトリックでもなくプロテスタントでもなく、イギリス国教会(Church of England)と呼ばれる16世紀にヘンリー8世が設立した教会組織がありますが、そのイギリス国教会の大聖堂です。ヨーロッパでも2番目に大きいとされる大聖堂のステンドグラスは圧巻。そしてもう一つ有名なのが聖歌隊ヨーク寺院の聖歌隊はイギリス随一の歌声を持つと言われます。夕方のお祈りの時間までいればフルコーラスが聞けるとのことでしたが、少し早めの時間に着くと、ちょうどお祈り前の練習をしていて文字通り”天使の歌声”を聞くことができました。

イギリス随一の大学、ヨーク大学

そして普通の人にはあまり響かないかもしれませんが、今回私が楽しみにしていたのがヨーク大学!1963年に設立された、比較的新しい公立大学ではあるものの「ケンブリッジとオックスフォードに並ぶ学力を誇る」大学と呼ばれ、”50年以内に設立された大学ランキング”のイギリス部門では堂々の1位、世界でも8位にランクインしました。学べる分野も哲学や心理学から電気・電子工学まで広く、イギリストップに位置する総合大学とのことです。私がキャンパスを訪れた日は7月初めの週末とあって、ちょうど次年度入学を希望する高校生たちがオープンキャンパスに訪れていました。

以前訪れたことのあるケンブリッジ大学とは異なり、新しい大学なのでイギリス(ヨーロッパ)らしい校舎というよりは、近現代的な建物が多くありますが、その分自然が豊か。キャンパス内のそこここに池やガーデンが配置され、池で泳ぐ鴨の数は大学生の数より多いと揶揄されるほど。課題やテストに追われる大学生活も、教室を一歩出ると広がる自然に心が癒されますねぇ。

イギリスといえば、アフタヌーンティ

広いキャンパスをお散歩したらいよいよこの旅最大のグルメ、アフタヌーンティをBettysでいただきます。イギリスを代表するアフタヌーンティは美味しいお茶、ケーキとスコーンが揃えばどこでもお店はできますが、やはりもともと貴族の文化ですので、できれば宮廷風のお店かお庭でいただきたい。ヨークには1936年から営業しているというカフェがあり「アフタヌーンティなら現地の人も絶対オススメなのがここ!」とご案内いただき、そちらでいただくことに。私はアフタヌーンティ、友人はサーモンサラダを頼みましたが、全てが美味しかった!ケーキもそれほど甘くなく、パンもしっとりしていて日本人のお口に合うお味でした。

まるでハリーポッターのダイアゴン横丁!シャンブルズ通り

腹ごなしを終えて向かったのは、個人的にヨーク観光のハイライトとも言えるシャンブルズ通り(Shambles Alley)、ここはハリーポッターが新学期前に訪れるダイアゴン横丁(Diagon Alley)のモデルになったと言われている通りなんです。今回の旅では”世界ふしぎ発見!”風の動画を何本か撮影しましたので、通りの雰囲気は写真と動画(後日アップ)でどうぞ。

今回は古都ヨークの魅力をお届けしました。ロンドンのキングスクロス駅から片道2時間、日帰りでも訪れることができるヨークはロンドンと比べて人が少なくとても優しい。物価もかなり低くてレストランやパブはロンドンの3割〜4割引き!途中の車窓から眺めるイギリスの田舎風景もとても素敵なので、日程に余裕がある方はぜひ訪れてみてください。