8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

イギリス食い倒れ紀行〜その2〜

イギリスといえば「食事がおいしくない」と言われていますが、それは間違いです。確かにイギリスの家庭料理は全体に味付けに深みがなく、野菜はゆでるだけ、お肉は焼くだけといったイメージがあります。しかしちゃんと行く場所を知っていれば、イギリスでもおいしいお食事にありつけます。またアメリカの中規模都市以上に人種のるつぼ化した、大都市ロンドンには移民も多く、各国のおいしい料理も食べられるのです。今回は1週間とタイトスケジュールだったので、全ては網羅できませんでしたが、日本でなかなか食べることができない、イギリスならではの食事をご紹介します。

目次

ロンドンではイタリアンが流行っているもよう

4年前に行った時にはあまり気づかなかったのですが、今回街を歩いていてよく見かけたのがイタリアンレストラン。ピザやパスタは前からありましたし、ホームステイをしていた家庭でも毎週のように食べていましたが、こんなにオシャレなお店多かったなぁと感じたのです。ま、詳しくはまたロンドン在住の方に聞いてみますが、日本の方もイタリアンはよく食べるという方が多いと思いますので、パブフードに飽きたらイタリアンもオススメです。

今回ふらっと立ち寄ったお店は、大英博物館近くの今風デザインのカフェ&バー。アデルのコンサートの前に軽く食べておきたかったので、遅めのランチがてら量は少なめに。食事はイタリアンで、選んだのはカルボナーラとお店オススメのサンドイッチ(?)パニーニ風のパンだけど形はイングリッシュマフィンに似ている薄めのパンに、生ハム3種類をそれぞれ挟んだホットサンドイッチ。これが中のハムがたっぷり入っていておいしかった!カルボナーラも日本の高級レストランレベルのクオリティでした。このお店の何が良かったかって、お食事の味も美味しくて、ドリンクの種類も豊富だったのですが、このスペースと空間デザインがまた素敵でした。ロンドンはお家賃も安くないはずなのですが、ギチギチにテーブルが詰められていなくてゆったりしたスペースなので、気持ちもゆったりとドリンクと食事を楽しめました。

ギリシャ料理と中東料理



4年前にイギリスに来た時は、ロンドン滞在中の半分くらい中東料理を食べていました。日本ではなかなか見かけない中東料理は、スパイスをあしらったラム肉をメインとしたケバブなどの料理が有名ですが、フムスに代表される豆料理や、野菜の料理も美味しいんです。今回は中東系レストランには行きませんでしたが、ラム肉のケバブ風を普通のレストランでいただきました。ヨーグルトソースなどもかなり本格的。

そして日本にあまりないけれど他国に多い美味しい料理といえば、ギリシャ料理。ピンと来ない方も多いかもしれませんが、ギリシャ料理は地中海料理なのでイタリア料理とも似ていて、日本人のお口にはとても合うのです。ギリシャっぽいのはフェタチーズをたっぷり使ったギリシャ風サラダですが、味付けはオリーブ、ワインビネガー、塩こしょう。肉料理や魚料理はグリルしたものも多いですが、トマトと煮込んだ料理もあります。そしてムサカ!ムサカは見た目も味もラザニアに似ているのですが、パスタの代わりに揚げナスが入っているのが特徴。ズッキーニが入っていることもあります。また、お店ではベジタリアン料理として出されることも多いため、ひき肉は使わない場合があります。ギリシャ料理は白ワインにもよく合います。



イギリスはもともと植民地だった国からの移民が多く、彼らの多くは飲食店を始めたことから、以前からどんな田舎でもインド料理と中華料理のお店がありました。その後は植民地以外からの難民・移民も受け入れていたようで、1940年代は内戦中のギリシャから、1970年以降はレバノンから移民がやって来て、それぞれギリシャ料理、中東料理のレストランを始めたようです。日本では移民の受け入れが少ないのであまり馴染みがないのですが、食文化は歴史とも密接に関わりがあるのですね。おいしいものを食べながらいつもそんなことを考えてしまいます。


フレンチビストロは日本と同じレベル

今回初めてイギリスで食べたフレンチヨーク在住の友人夫婦御用達というこのお店は、雰囲気も味もフランスそのもの。日本でも神楽坂はじめ、多くの街に比較的リーズナブルなフレンチビストロがありますが、同じようなメニューとお値段設定です(ただしワインは日本より安い)。ここではオニオンスープとラム肉をいただきました。ラムって日本では食べられるお店が少ないんですよねぇ。時々無性に食べたくなるのですが、日本だとスーパーには売っていなくて伊勢丹まで行かないと買えない・・・ボリュームはさすがに日本以上で、かなりお腹いっぱいになりました。友人曰く「フレンチレストランは割と多い」そうです。お隣の国ですから、身近なのかもしれませんね。遠いヨーロッパまで来たけど日程の都合でフランスに行けないって方は、イギリスでビストロを探してみてはいかがでしょうか?

 

番外編:イギリスのスーパーはビールとチーズが・・・

先日のお誕生日にはたくさんの方からお祝いのプレゼントをいただきました。中でも多かったのがワイン。そんなに私はいつもワインを飲んでいるイメージなのでしょうか。嬉しいですけど。そしてワインに合うといえば、チーズとハム。チーズは伊勢丹で買うと決めているのですが、原油高・ユーロ高となにかあるたびにお値段が上がり、原油もユーロも下がっても一向に値下がりする気配なし。数年前にフランスに行った際、日本だと1,000円以上はするというチーズがわずか2~3ユーロで売られていてあ然。それ以来、日本におけるチーズ消費量は減っています・・・その代わり、チーズが安いお国に行くと狂喜乱舞とばかりにチーズ買い占め。ヨークで友人が「他に(観光で)行きたいところあります?」と聞いてくれたのに「スーパー!!」と答え、苦笑されつつ念願のスーパーに連れて行ってもらいました。あぁチーズコーナーで売られているチーズの魅力的なこと。。。うぅ日本は暑くて持って帰れないのが悲しい。今回は友人宅でホームステイさせていただいた期間が短かったため、たくさんは買えませんでしたが、airbnbなどを利用される方はぜひおつまみをスーパーで仕入れられるのがオススメです。

 

私の場合はおつまみではなくて、おいしい朝ごはんを友人が朝から作ってくれました! 

ちなみに写真を撮るのは忘れてしまったのですが、ワインコーナーもかなり充実していました。イギリス産のワインはあまり置いていないようでしたが、メジャーだったのはニュージーランド産とオーストラリア産。もちろんフランス産、イタリア産も置かれていました。これらヨーロッパの輸入食品はブレグジット(イギリスのEU脱退)によって全て2~3割値上がりすると言われているそうです。

 





番外編その2:エディブル・フラワー





ヨーク観光の途中で友人が連れて行ってくれたのがエディブル・フラワー・ガーデン(Edible Flower)。一般的には“食用花”と訳されるエディブル・フラワーですが、近年ヨーロッパで流行っているようなのです。実際に行ってみるとビックリ広いお庭に植えられている植物全てが食べられるなんて!よく見ると料理に使われるハーブのお花の中にも食べられるものがあるそうで、セージやラベンダーなど、おなじみの植物もありました。

  

帰りに空港内で入ったお店にはテーブルの上にパセリやローズマリーが。偶然、エディブル・フラワーを推奨しているThompson&Morganという会社とコラボして営業しているレストランのようでした。この「パセリはむしって食べていいのかな」と思いつつ周りを見渡しましたが、誰もテーブル上の植木をむしゃむしゃ食べているようには見えなかったので、飾りとして使われているようでした。見た目も美しく、食べられるエディブル・フラワー。もっと日本でも流行るといいな。