8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

鬼は外、ふくは〜ウチ

節分といえば2月3日といったイメージがありますが、本来は季節の変わり目をあらわす立春、立夏、立秋、立冬の晦日(みそか)。つまり年4回あるのですが、中でも立春はお正月ということでその前日の節分が重要視されるようになったようです。

節分といえば大好きな浅田次郎先生の時代小説「黒書院の六兵衛」に、江戸時代後期の立春晦日を旗本武家がどのようにお祝いするか描写されていました。

まず「鬼は外、福は内」と家中まわって豆をまき厄払いをするのは年男、とあります。家人が多い家であれば、翌日の立春(旧正月)に数えで12歳、25歳、36歳、48歳、60歳、72歳、、、を迎える年男が、正装をして豆をまきます。年男がいない場合は同じ身分でご近所の同僚の中から、年男に来てもらっていたようです。そして下男が鬼を面をかぶり家中を走り回る家長も正装を着込み、こちらは弓をはじいて鬼を追い払う。豆まきの後は福茶を飲んで暮の追難式とする。明けて迎えた翌日が新年でお正月

本日は西暦2017年(平成29年)の立春晦日。近所の神社を通りかかると、ちょうど豆まきイベントが始まるところでしたので、小さい子供とご近所のお年寄りに囲まれて体験して来ました。午後3時から氏子代表と思われる男性が20名近く正装して神前でご神事がスタート。4時になったら神主さんと正装したおじさま達が神楽殿に上がり、まずは神主さんが矢を数本投げます。後に続いた福豆とお菓子の「豆まき」に境内前の広場は大混乱。

ちょっと離れたところで子供達を見守っていた大人達にも、こっそりと後ろから来られた氏子さん達から福豆の配給がありましたので、私も無事に福豆にありつけました。本来は年の数+1つ食べるところですが、それほどたくさんではなかったので帰って福茶をいただきました。

普段日本で生活していると近代化された一面しか見ることがありませんが、神社やお寺を中心に伝統行事なども少しずつ形を変えながら残っている。そんな一面を垣間見ることができた今年の節分でした。