8ヶ国語を話すマルチリンガルの個人ブログ

外大連合セミナー@神田外語大にて講演

日本に外大と名がつくのはのは7大学しかないようで、外大連合というチームが組織されているのはご存知でしょうか?関西外大出身の私も昨年初めて聞いた、その外大連合では来たるオリンピックでのボランティア経験を生かしてグローバル人材を育成したいと、5年も前から「通訳ボランティア育成セミナー」を毎年開催しています。

先日は「第5回全国外大連携プログラム 通訳ボランティア育成セミナー」にて、全国の外大生400名に講演をしてきました。当初はオリンピックボランティアの経験をお話をして欲しいとのことだったはずが、なぜかいただいた案は、テーマ:「効果的な多言語学習法と第2言語習得概論(仮名)」。。。論文発表でもするのでしょうか、というネーミング。さらに「オリンピックの話も盛り込んで欲しい」とリクエストあり。しかし語学学習と、ボランティアは一緒にするのが難しく。
苦肉の策として、セミナー名を「多言語を話すことで加速する語学学習」とし、希望者が多ければ質問時間30分を返上して、オリンピックでの通訳ボランティアとしての体験談をすることにしました。

時間の割合表をいただいたら1限目午前9時スタート、ホールは400名定員とのことでしたが、なんてったって夏休み期間中です。朝も早いし50~60名くらいの閑散とした教室を覚悟しつつ、会場である神田外語大に向かったところ、教室を埋め尽くすほどの学生・学生・学生。ありがたいことに、ほぼ全ての席が埋まっていました。

講演のテーマはずばり、マルチリンガルメソッドです。私としてはめずらしく2ヶ月前から準備した原稿は音声認識で作成し、参加者の学生にお手伝いいただきタイ語・カンボジア語・韓国語の実演もしました。(そういえば英語ではしなかったな)それにしても外大生の発音、美しすぎです。デモンストレーションにご協力くださった2名は、いずれも神田外語大の2年生ということでしたが、現地の方かと間違うほどの美しさでした。

マルチリンガルによる、マルチリンガルになるための新しい言語を学ぶのポイントは5つ。

1. その言語を使って何をしたいのか具体的な未来を想像する
2. どんな言葉(単語)を、どのレベルまで、いつまでに習得するのか、5W1Hで明確なゴールを設定する
3. 親和性の高い言語、あるいは最も得意な第二言語で習得する
4. まずは得意なVAKで学習する
5. 好きなことと語学学習を関連づける

一部のマルチリンガルメソッド編が終わってから会場に「質問はありますか?」と聞いてみたら、手がたくさん挙がってビックリ。やっぱり質問は講演後か、後でメールでご連絡いただくことにして、オリンピックで通訳ボランティアとして働いていた時のエピソードをご紹介外大連合からは2018平昌五輪に111名がマルチリンガル通訳ボランティアとして参加2020東京五輪でも一定数が参加することになるようですが、もちろん学内選考に漏れる人もいるかもしれません。そもそもの外大連合セミナーの趣旨は「通訳技法」ですが、通訳はそもそも全ボランティア数の5%くらいしかいないし、他にも多くの興味深いお仕事があるということをお伝えしました。終了後も休憩時間いっぱい、質問に来てくださる学生の方とお話させていただき、私にとってもとても有意義な一日となりました。

今回の外大連合セミナーの責任者は、神田外語大の朴先生というもともとは体育の先生の発案でスタートしたそうです。自身もスポーツボランティアから多くのことを学んだから「学生達にボランティアを通した素晴らしい経験をしてもらいたい」。講演後にご挨拶させていただいた際は、そのように熱く思いをお話いただきました。こんな素晴らしい先生がいる神田外語大の学生たちはラッキーですね!うらやましいと思うと共に、どんなに困難そうなことでも、熱い想いと行動する覚悟があれば、大抵のことは実現できるのだなと思いました。